こんにちは、栗原です。
本日は、”選択肢”に関する消費者心理学について
お話しします。
”たくさんの選択肢の中から選べること”というのは どのジャンルの販売においても、マーケティングにおいてプラスに働く 施策であると考えられていますね。
たとえば、カーディガンやニットのカラーバリエーションが 15色ぐらいあるとか、 1万円以上の購入でもらえるノベルティの種類が 20種の中から選べる等、 販売促進の手段としても一般的です。
販売する側の立場だとしても、
「使える15色を取り揃えております!全部カワイくてオススメですよ!」
「20種のノベルティからお好きなものをお選びいただけます!」
等、セールストークが作りやすいですよね。
しかし、これらの”選択肢の多さ”というのが実は 消費者を悩ませ、購買意欲を削いでいると言われ、消費者心理学においてはマイナス効果であると言われているんです。
『ジャムの法則』から見る消費者心理
コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授の 有名な実験があります。
・高級住宅街にある食料品店にて、ジャムを並べて買い物客が
試食できるようにした上で、1ドルの割引クーポンを渡す。
・試食用のジャムが6種類の場合と24種類の場合を比較する。
・ただしいずれも24種類のジャムを購入できる
という実験の結果、種類の多い方が人が集まったものの、 試食するジャムの種類の平均値に差はなかったが、
購入状況は大きく異なり、6種類の場合実際に購入した顧客は 30%だったのに対し、24種類の場合はわずか3%。
このことから、消費者は
多くの選択肢を提示されると、判断するために多くの
労力を費やすので辟易してしまい、購買意欲が減退する
傾向にあるということが分かります。
また、選択肢が多いほど、購入に至ったとしても 選択しなかったものに惹かれる気持ちが選択したものの 喜びを損なわせるという見解もあります。
多すぎる「選択肢」を消費者はストレスに感じる
以上の結果を裏付ける、もう一つの調査をご紹介します。
博報堂買物研究所が2016年に発表した、全国の20代~60代の男女2,063名
を対象に行った調査の中で、
「この半年間でモノを「欲しい」と思ったにも関わらず買物欲を忘れた経験がある生活者」
はなんと75.1%であるとの結果がでています。
その中で、
「商品の数、種類が多すぎて、何が自分に必要なのか分からない」ことへ感じる
ストレスが原因であると回答した生活者は44.3%。
選択肢が多すぎることが消費者心理に与える影響は、 消費者自身が自覚するまでになっているということが分かりますね。
選択肢を限定し、消費者を誘導する
情報やモノが飽和状態にある現代では、 選択肢を増やし与え続けるだけでは逆効果。
まずはターゲットをしぼり、選択肢を厳選する。
そこに消費者心理を誘導する動線をつくり、
悩むことを減らしストレスフリーに買物が出来るように
施策を考えていくことが大切です。
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